花火の「かーぎやー」は今も健在!?
日本の夏の週末は毎夜あちこちで花火大会が行われる。
他にこのように花火大会を楽しむ国があるのだろうか?
海外の長く高く飛ぶ花火と違い、日本の花火は大きく丸く、何よりも色鮮やかなのが特徴。
江戸川花火大会を観賞。
遠くのスカイツリーがライトアップされる頃には江戸川の両岸には約139万人の観客が集う。
オープニングは恒例の5秒で1,000発の花火でスタート。総打ち上げ数は国内最大の1万4000発。
爆破音が胸を突き、興奮が高まると同時にまばゆいカラフルな光がはじける。
この花火を見たら、もう他の花火大会では物足りなくなるかもしれない。
あちこちで聞こえる「かーぎやー」の声。日本ではよく見る(聞く)この光景。そもそもこれはなんなのか?
日本最古の花火大会はスカイツリーのすぐ横を流れる隅田川で行われる「隅田川花火大会」だ。
1732年、江戸は大飢饉とコレラの大流行により大量の死者を出した。
翌年の1733年、当時の江戸幕府の将軍(8代吉宗)は川辺で死者の霊を弔う会を行い花火を打上げた。
これが隅田川花火大会のはじまりとされる。
“100 views edo 098” by 歌川広重 – Online Collection of Brooklyn Museum. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.
“Sumidagawa Fireworks Festival2012” by 桜庭シェリー – 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.
この時、花火を造り、打ち上げたのが「鍵屋弥兵衛(かぎや やへえ)」。
その後、この鍵屋からのれん分けされたのが「玉屋市兵衛(たまや いちべえ)」。
この二大花火師の競演によって、隅田川花火大会はその後もとても盛り上がった。
両者の素晴らしい花火を賞賛ため「(玉屋)たーまやー」「(鍵屋)かーぎやー」とかけ声をかけるようになったのだ。
それが現代でも残りどの花火大会でも、花火が上がる時に「た〜まや〜」「か〜ぎや〜」と叫ぶ風習があるのだ。
その後、玉屋の方の人気が絶大となったが、玉屋は火事を起こしてしまい、町を消失させていまったため
「江戸払い」となり(江戸から追放されて)一代で終わってしまう。
そして、残った「鍵屋」は…
なんと打ち上げ専業業者「宗家花火鍵屋」となって、現代に残っているのだ!
15代目が今でも隅田川や江戸川の花火大会でも活躍されていたことに驚いた。
この夏も残り少ないがあちこちで開催される花火大会で日本の歴史を感じながら芸術性と迫力のある花火をぜひ見て欲しい。
毎年8月第一土曜日 東京都江戸川区上篠崎1-25 都立篠崎公園先 江戸川河川敷 |
【Writer】Tokyo de Asobo:Yoshida