ここに行けば本格派?! 1人でも入れる東京老舗の居酒屋。
クリスマスも終わりあとは忘年会を残すのみ。
日本の大人は一年中、特に金曜日は何かと理由を付けて飲みにいくことが多い。
会社員にとって「飲み会」はストレス発散ができ、老若男女が楽しく会話できる場となる。
たまに泥酔したビジネスマンの姿を見るが、これが日本観光の名物にならないことを祈る…
なので、ゆっくりと飲みたいなら平日に。
日本のビジネスマンに囲まれ、日常を感じるなら金曜日に飲みに行くのがいいだろう。
そして、もし日本の食文化を深く知りたいなら老舗の居酒屋はどうだろう?
昔ながらの男同士のコミニュケーションの場(最近では女性も多い)がそこにはある。
日本の「居酒屋」の原点とも言える定番のメニューと焼酎や日本酒が揃う。
手作りの味も、壁のシミもぐっと染みてる老舗の居酒屋をご紹介。
「みますや」
明治38(1905)年創業。100年以上が経っている。
建物は昭和初期に建てられたときのままで、現存する東京都最古の居酒屋だ。
予約をすればお座敷に、席が空いていればテーブルに通される。
店内の柱や壁は長い年月を経てすっかり黒ずんで老舗の味がでている。
この日は、日本酒が並ぶ大きな冷蔵庫の前のテーブル席に座る。
この席はお座敷も他のテーブルも、厨房も少し見えて一番活気がある。
メニューは日本語のみ。中国系の店員さんもいたので中国語は通じるかもしれない。
店の壁には黒の板に白く独特な字でメニューが書かれている。
テーブルにも味のある手書きのメニューがあるので、それを見ながら注文。
食事メニューはどれも新鮮で美味しい。特にお勧めは「肉豆腐(にくどうふ)」よく味が染みて日本酒が進む。
店名:みますや
住所:東京都千代田区神田司町2-15-2
「ふくべ」
昭和14(1939)年創業。東京駅から徒歩数分にある。こちらも歴史は古く70年以上営業している店。
少人数でいけばカウンター席、4-6人ならテーブル席、予約ができれば2階席に案内される。
こちらも壁が黒ずみ、柱は丸みを帯びて磨かれたようだ。
隣との距離は狭く、ぎゅうぎゅうと詰めて座る。
日本の良いところは、このような場所でも譲り合いをするところだと思う。
席に着くと、注文をしなくても3品のお通し(突き出し、先付け とも言う)が出て来る。
どれも美味しく、特におでんは冬の寒い時期、お店に入ってまだ体が冷えているときにはとてもうれしい。
お店にもよるがこのお通しにチャージ料が含まれていることが多いので、支払いの際は驚かないように。
と言っても、この店のお通しは支払いに値するすばらしいものが出て来る。
この日は「しぐれ煮とらっきょう・おでん(3品)・さしみ(2品)」の3皿と小さめのお皿にこんぶが出て来た。
メニューは日本語のみ。日本酒のメニューは壁にもある。
ずらりと並ぶ木札には金と銀の紙が貼ってありお酒の種類を分けている。
銀が純米酒、金が吟醸酒、金と銀が純米吟醸酒を表している。
必ずしもそうとは言い切れないが、銀<金<銀と金 で甘みが増すと覚えておけば良いかな??
この店の自慢は「日本酒」の品揃え。特に「菊正宗(きくまさむね)」の樽酒 というのがお勧めだ。
日本酒は1つの注文で一合(約180ml)の徳利に入っている。
「ひや(冷たく)?あつ(温める)?常温?」と聞かれるので好きな飲み方かお勧めを聞いて注文しよう。
店名:ふくべ
住所:東京都中央区八重洲1-4-5
どの店も料理はとても美味しい。しかし海外から見た「日本食」としてはあまりメジャーではないものも多く、
変わった見た目や臭いに少し驚くかもしれない。(日本人でも驚くものがときどきある)しかしそこはぜひ挑戦し、日本酒との相性を試して欲しい。
老舗の居酒屋の店員たちやお客さんは少しそっけなく感じることもある。
しかし相席で距離も近く、話しをすれば楽しくおいしいものを教えてくれ、
きっと楽しい出会いがあるだろう。