新宿末広亭にて500円で深夜寄席は若手の修行の場
個人的に「昭和落語心中」のブームもあってか、浅草の人生初の落語体験ですっかり落語に魅了され
今度は新宿の末広亭へ。
> 観光ついでに「浅草演芸ホール」で初めての落語体験のお話はこちら
新宿三丁目にある末広亭は明治30年(1897年)創業の雰囲気ある建物。
周りはゴールデン街に負けないほどの飲み屋街で賑わう。
一時間前から行列必至!新宿末広亭の深夜寄席
19時台に新宿三丁目に着き、チケット売り場のおじさんに深夜寄席のスケジュールを尋ねると、「21時チケット販売開始、21時半から開演。だいたい21時前から並び始めるよ」とのこと。
21時までの間、末広亭のすぐ近くの新宿栄寿司で行列の様子を伺いながら軽く食事を済ませることに。
(席が良ければ行列の最後尾が確認できます)
関連ランキング:寿司 | 新宿三丁目駅、新宿駅、新宿御苑前駅
しかし、20時過ぎた辺りだろうか、なにやら行列ができている…
まさかと思い店を出ると、なんとそれは末広亭の列!
どうやら最近の「落語ブーム」により、深夜寄席の人気は上昇。
20時から並び始める客が増えてきているそうだ。
だから安い!深夜寄席は修行の場所
通常は大人3,000円ですが、21:30からの深夜寄席はなんと500円!
行列を取り仕切る着物姿の男女。開演後に知ったのだが、この方たちは本日の出演者。
自分たちで会場を準備し、行列をさばき、チケットを売り、噺(はなし)をする。
出演者の4名以外のスタッフが居ない分、人件費が安く済む。
だから、500円という格安で落語を見ることができるというわけ。
出演者は若手(二つ目)のみなさま。若手といっても30代以上で芸歴は10年以上ある方もいる。
彼らにとっては経験・場数を増やすための「深夜寄席」。参加する私たちも協力しましょう。
昭和の空気が残るレトロな内装
末広亭の内装は中央に椅子席が200くらいだろうか?
両サイドに座敷のような席がある。
この日は立ち見が出るほどの満席。
昼間に行った浅草演芸ホールとは違い、全体的に年齢層が低い。
一人立つのに十分な小さめのステージ、周りを囲む提灯の雰囲気。
周りにあるガラス戸のデザインなどなど、あちこちに昭和の雰囲気が残る。
椅子席は両サイド狭め。正面からよく見たければなるべく前がいいでしょう。
昔の作りの椅子席は最近の映画館のように、客席の前後がかぶらないような作りではなく、
正面に人の頭が来る。
目の前に大きめの人がくれば、座った落語家が全く見えなくなってしまう。
気軽にのんびり、ビールでも飲みながら見たい場合は、サイドの座敷席がおすすめ。席は確定ではないので混雑時は譲り合いが必要です。
修行と侮るなかれ。年齢が近い分、身近で楽しい!!
21時半、ちょっと不安定なお囃子とともに(笑)まず一人目の落語家さんが登場。
一人目は「橘ノ 双葉」という女性の落語家さん
https://www.geikyo.com/profile/profile_detail.php?id=19
ご本人曰く、日本に三十数名しかいない「貴重な」女性落語家さん!
演目はオリジナルでスーパーマーケットを舞台にしたロミオとジュリエットのような噺。
身近なテーマに脳内の妄想もしやすい。笑いが取れても取れなくても、最後はきっちり笑いに変える。
二人目は「柳亭 小痴楽」さん
https://www.geikyo.com/profile/profile_detail.php?id=20
勢いよく話す雰囲気は気持ちが良い。演目に入る前の世間話の「まくら」が現代ならではのITの話題でとにかく笑える。
演目は古典落語の「磯の鮑」をきっちりと。そこのギャップがまたいい。
風貌は昭和落語心中の助六によく似ていた。
三人目の「桂 夏丸」さん
https://www.geikyo.com/profile/profile_detail.php?id=15
その年齢からは驚くべき「昭和歌謡」が好きな方。
「昭和」と言っても戦前戦中?とても古い曲についてのまくらのあと、
それに結びついた歴史を題材にした演目。
最後にすべてが結びつく、噺のからくりが面白かった。
最後の四人目は漫談の「神田 真紅」さん
https://www.geikyo.com/profile/profile_detail.php?id=245
漫談というものを初めて聞くので、楽しめるか不安な中、内容は完全オリジナルで、今回はなんと赤塚不二夫さんの子供時代の話。
漫談独特の話方だが、話の内容はとてもわかりやすくて他の話もぜひ聞いてみたい。
過去にはエヴァンゲリオンやファイナルファンタジーの話もしたらしい。
あっという間の1時間半。気付は23時となり帰りを急ぐ時間となりました。
【Writer】Tokyo de Asobo : Yoshida